子犬の社会化期はいつからいつまで?時期と社会化のやり方徹底ガイド

子犬が将来どんな性格になり、どれだけストレスの少ない生活を送れるか。その多くを左右するのが 「社会化期」です。社会化期の過ごし方によって、人や犬が好きで穏やかな成犬になるか、恐怖心が強く、吠え・噛み・警戒が多くなるかが大きく変わります。本記事では、社会化期の時期・目的・やり方・注意点を徹底的に解説します。初めて犬を迎える方はもちろん、より良い社会化を目指したい飼い主さんにも役立つ内容です。
社会化期とは?

社会化期とは「子犬が周囲の環境を受け入れやすく、柔軟な適応力を持つ時期」のことです。この期間に経験した刺激はポジティブに吸収されやすく、逆に経験が不足すると、見知らぬ人・物・環境に強い不安を抱きやすくなります。
犬は生後すぐから成長段階に応じて世界を学んでいきますが、特に生後数ヶ月の経験は、その後の一生に影響するほど重要です。
社会化期はいつからいつまで?

子犬の社会化期は大きく 「一次社会化期」 と 「二次社会化期」 に分けられます。
一次社会化期:生後3週〜12週
子犬の社会化に最も重要な期間です。視覚・聴覚が発達し、周囲に興味を持ち始めるのが生後3週前後です。母犬・兄弟犬との関わりの中で「犬としてのコミュニケーション方法」を学びます。
この時期に必要な刺激は、
- 人間との優しい接触
- 家の中の生活音
- 抱っこ・身体を触られる経験
など、ごく基本的なものが中心です。
※ブリーダーの環境が良いかどうかで生後8週までの基礎社会化レベルが大きく変わります。
二次社会化期:生後12週〜16週(一般的には生後4ヶ月まで)
新しい環境への恐怖心が少なく、好奇心が旺盛な時期です。多くの専門家が「社会化のゴールデンタイム」と呼びます。
この時期に経験した刺激は「普通のこと」として受け入れやすく、
- 外の世界
- 他の犬や人
- 車・交通音
- 動物病院
- 家以外の場所
など、幅広い社会刺激をポジティブに学べます。
※生後16週を過ぎると「警戒心」が急激に強まり、新しいものを怖がりやすくなります。
社会化期が重要な理由

社会化期に十分な経験がない犬は、以下の問題が生じやすくなります。
社会化不足は「性格」ではなく、経験不足によって生じることが多いです。つまり、適切な社会化ができれば、多くの問題は予防できます。
ワクチン前でも社会化はできる?

よくある誤解が「ワクチンが終わるまで散歩させてはいけない」というものです。
もちろん地面を歩かせるのは感染症リスクがあるため避けるべきですが、外の世界を見せる方法はたくさんあります。
ワクチン前にできる社会化の例
- 抱っこ散歩で外の景色・匂い・音に慣らす
- 車や自転車の音を聞かせる
- バギーを使用して散歩
- 家の前に少し出て風や環境音を感じさせる
- 来客に優しく触ってもらう
- 他の犬と会わせる場合は、ワクチン接種済みで健康な犬を選ぶ
専門家の間でも「ワクチン前でも安全に工夫して外の刺激を経験させるべき」という認識が広まっています。
社会化期に行うべき具体的ステップ

ここからは、家庭でできる社会化方法を「段階別」に詳しく紹介します。
STEP1:人に慣れる(知らない人・子ども・男性など)
犬は「人間=良いことが起こる存在」と理解すると、とても穏やかになります。
具体的な経験
- 帽子・マスク・メガネ・スーツなど、見た目が異なる人
- 陽気な人・静かな人
- 子ども(触り方を大人がサポート)
- 配達員や来客
ポイント
- 子犬を驚かせない
- 無理に触らせない
- ご褒美を使って「人=楽しい存在」にする
STEP2:音に慣れる(生活音・環境音)
音への恐怖は年齢が上がると改善が難しくなります。
慣らしたい音
- ドライヤー、掃除機
- インターホン
- 交通音(車・バイク・救急車)
- 雷や花火(録音を小さな音量で)
ポイント
- 初日はごく小さな音から
- 怖がる様子が出る前に止める
- おやつを与えながら音と良い印象を結びつける
STEP3:犬・動物に慣れる
犬同士の社会性は非常に重要です。ただし、無秩序なドッグランより「相性の良い成犬との落ち着いた接触」が理想です。
良い経験とは
- 落ち着いた成犬が、子犬を優しく受け入れる
- 軽い触れ合いをした後に自ら距離を取れる
- 嫌がっているサインを犬同士で調整できる
※怖がる経験や強く押し倒される経験は逆効果です。
STEP4:さまざまな環境・場所に慣れる
散歩が楽になるための重要なステップです。
慣れたい環境
- 公園、住宅街、車通りの少ない道
- ペットOKのホームセンター
- 駅前など少し人が多い場所(段階的に)
ポイント
「行ってよかった」と思わせるために、おやつを頻繁に使いましょう。
STEP5:扱われることに慣れる(ハンドリング)
生涯必要なケア(歯磨き・爪切り・ブラッシング)に影響するため、最重要項目の一つです。
ハンドリングの練習
- 足先を触る
- 耳を軽くめくる
- 口元を触る
- お腹を触る
- 仰向け抱っこは無理にしない
1〜2秒触ったらご褒美を渡す「短時間 × 小さな成功」が基本です。
社会化トレーニングでやってはいけないこと

社会化は「たくさん経験させれば良い」というものではありません。
以下の注意点を守らないと逆効果になります。
- 怖がっているのに無理に近づける
- 刺激が強すぎる場所にいきなり連れて行く
- 他犬との挨拶を強制する
- 子どもの急な動きや大声に耐えさせる
- 一度に多くの刺激を与えすぎる
⇒ 強制的に慣らそうとすると“恐怖の記憶”が定着してしまう。
⇒ 例:いきなり大きな駅前、騒がしいイベント会場など。
⇒ 犬にも「好き・嫌い」「相性」があります。
⇒ 恐怖心を持たせると、生涯子どもが苦手になる可能性があります。
⇒ 子犬はすぐ疲れるため、短い時間で切り上げる方が効果的です。
社会化チェックリスト(飼い主の実践用)

以下の項目をバランスよく経験できているか確認してみてください。
▼人
- 男性・女性・子ども
- 老人
- 見た目の異なる人(帽子・マスク・メガネ)
▼犬・動物
- 落ち着いた成犬
- サイズの異なる犬種
- 猫など他動物(安全距離で)
▼音
- 生活音(掃除機・ドライヤー)
- 車・バイク
- 雷の録音
▼環境
- 家の前、公園、静かな道路
- ペット可店舗
- エレベーターや階段
▼触られる経験
- 足・耳・口
- ブラッシング
- 動物病院での簡単な診察
※短期間に大量にクリアする必要はありません。「少しずつ」「楽しい経験にする」 ことが最優先です。
社会化期を過ぎたら遅い?(答え:遅くはないが難易度は上がる)

生後4ヶ月以降は警戒心が強くなり、「初めてのものを怖がる」傾向が増えてきます。しかし、社会化が全く不可能になるわけではありません。
- 小さなステップに分ける
- ご褒美を使い積極的強化で慣らす
- 無理をさせない
- 専門家のサポートを受ける
といった方法で、成犬になってからでも改善できます。ただし、子犬期よりは時間がかかるため、やはり社会化期(生後3週〜4ヶ月)が最も効果的です。
まとめ:社会化期は一生を左右する大切な時間
子犬の社会化期は
- 一次社会化期:生後3〜12週
- 二次社会化期:生後12〜16週(4ヶ月まで)
という、とても短い期間しかありません。
この時期に多様な刺激を楽しい経験として積み重ねることで、人懐っこく、環境に強く、問題行動の少ない成犬に育っていきます。「もっと後でゆっくりやろう…」は通用しません。子犬を迎えたその日から社会化は始まっていると考えましょう。ぜひ今日から、愛犬と一緒に楽しい社会化トレーニングをスタートさせてください。
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