犬にお手を教えることは、単なる芸当ではなく、深い意味を持っています。まず第一に、お手はコミュニケーションの手段となり、飼い主と犬との絆を強化します。この単純な動作を通じて、愛犬との信頼関係を築くことができます。また、お手を教えることは犬にとって精神的な刺激となり、知的な活動を促進します。脳を使うトレーニングは犬の健康にも良い影響を与え、退屈やストレスの軽減につながります。

 

さらに、お手のトレーニングは犬の行動をコントロールする手段としても役立ちます。飼い主の指示に従うことで、危険な状況から身を守ることが可能です。お手を覚えることは従順さを養い、日常生活での円滑なコミュニケーションを可能にします。最終的には、犬にとってお手を教えることは楽しい活動となり、ポジティブな経験として覚えられます。このような多面的な意味を持つお手のトレーニングは、飼い主と犬との共生を深め、豊かなペットライフを構築するキーと言えるでしょう。

犬にお手を教える際のポイントを紹介します。

 

適切なタイミング

お手のトレーニングは犬がリラックスしている時に行うのが効果的です。散歩後や遊び疲れた後など、興奮していない状態が理想的です。

 

犬が喜ぶご褒美（おやつなど）を用意

お手を教えるためには、犬が喜ぶご褒美が必要です。おやつやフード（粒）などを用意しておきましょう。

 

一貫性が重要

訓練中は一貫性が重要です。一度覚えた手順を繰り返し行い、一貫性を持って教え続けることで、犬は理解しやすくなります。

 

別の場所や状況での練習

最初にトレーニングした場所や状況以外でもお手を実行できるようになるよう、異なる場所や状況での練習も行いましょう。

 

リラックスして楽しむ

最も重要なのは、犬とのトレーニングを楽しむことです。ストレスを感じないように心がけ、ポジティブな雰囲気で接することで、お手のトレーニングがより効果的に進むでしょう。

実際のやり方ですが、初めにご褒美（おやつなど）を用意し握りこみます。訓練がうまくできるまでは、決して犬に実力行使で奪われるようなことはないようにしてください。犬はご褒美（おやつなど）を欲しがって様々なアピールをしてくると思いますが、興奮しているときには訓練はできません。落ち着くまで全てのアピールを無視してください。

 

※お手の訓練は、お座りができている事が前提となりますので、もしできていないのであれば、お手より先にまずお座りを訓練してください。

 

落ち着いたら以下の手順でお手を教えて行きます。

 

1. まずはお座りをさせます。
2. 次にご褒美を持っていないほうの手で、犬の前足をつかみ持ち上げ、「お手」の号令とともにお手の姿勢に持って行きます。
3. その姿勢が崩れないうちに「よしよし」と褒めてあげて、ご褒美を与えましょう。

 

これを繰り返し、「お手」の号令があったあと、飼い主の手の上に前足を乗せたら、褒めてもらえてご褒美も出てくると覚えさせます。

 

最終的に「お手」と言いながら、手の平を愛犬の前に出して少し待ち、愛犬が手を乗せてきたらお手のしつけは完了です。

 

 

お手は必ず覚えさせなくてはいけないしつけという訳ではありませんが、覚えさせることでメリットのあるしつけの一つです。お手を教えることは単なる服従の証としてだけでなく、犬との楽しいコミュニケーションの始まりでもあります。愛情と理解をもって取り組むことで、より良いペットライフを築く手助けとなるでしょう。